2022年12月19日
【司会者・牧野尚之の「舞台の袖から、どうぞ宜しく」】
〈「思います・・・」その2〉
前回国会議員の会見で「緊張感をもって審議に臨みたい」と断言するべきところ、自信が無いのか「思っています」を付け加えている、またそれの各局のニュース報道では「思って」の部分をほぼカットしていたが
この「思う」部分が実は大切ではないのか、そして私達も会話の中で「出来ると思います」「行ってみたいと思っています」などと使うが「思う」は使い方次第で様々な異なる意味になってしまう、こんなことを綴りました。
私は若い頃司会研修で「思います」の使い方には気を付ける様先輩から指導を受けました。
進行がスタートする時なら、「開演(開宴)したいと思います」ではなく「開演(開宴)します」であり、
「ご来賓をご紹介したいと思います」ならば「ご紹介します」と断言すべきであると。
『自分が「思う」のだから良いじゃないか』、と言われたらそれまでですが。
勿論「ご覧頂こうと思いますが、その前にプロフィールのご紹介をさせて頂きます」これならば問題はない、でも「ご覧頂きますが、その前に」で充分に伝わります。
それと「はい!」の多様にも気を付けるべき、その様な導きも受けました。
近年タレントさんや歌手が司会をされることが多く、アナウンサーさんであっても言い回しでは、私は大変に気になります。
「はい!素晴らしい演奏でした」、「はい!ありがとうございました」、返事でもないのに無意味な「はい!」は必要ない訳で。
「これから〇〇さんに歌ってもらおうと思います」「このパネルを見て頂きたいと思います」などは「歌ってもらいます」「見て頂きます」で良いと、私は『そう思います』が如何でしょうか。
(隔週月曜日掲載。日本司会芸能協会・副会長)